葬儀を執り行うにあたって、まず喪主を務める者を決める必要があります。選ぶ際に最も重要となるのが故人の遺言です。遺言にて務める人物が指定されているなら、それに従って決定されることになります。特に指定がないのであれば、故人の配偶者が務めることになります。
昔は、家督を継ぐという意味もあり、故人の後継者が務めていましたが、現代においてはそういった意識が薄れていることや、家族の最小単位が夫婦となっていることから、今では故人の配偶者が務めることが多くなり、一般的な慣習となっています。
しかし、故人の配偶者が高齢であることや病気などで喪主を務めることが困難などといった場合もあります。その場合は、故人と血縁関係が深い者が優先されて選ばれることになります。配偶者を除いた親族の血縁関係の深さを順に並べると、長男以降直系の男子、長女以降直系の女子、故人の両親、故人の兄弟姉妹となっています。これらを踏まえ、体調面や故人との関わりの深さなどからも考慮して選ぶと良いでしょう。故人に配偶者や血縁者がいない場合は、知人や友人、介護施設などに入所していた場合は施設の代表者など、故人との血縁以外の関係者から選ぶことになります。この場合、友人代表や世話人代表などと呼ぶことが一般的です。こういった条件を考慮の上、決めることになりますが、必ずしも一人でなければならないということはありません。祭祀継承者は法律により一人と定められていますが、喪主は複数人でも問題はないとされています。